2022年11月13日に催される行政書士の試験を受けることと相成り、そのプレッシャからか、何かご褒美でも欲しいなと思ったところ、「そうだ、新しいPCを買おう! それも自作!」と思い至り、自作PCを組むことと相成りました。
まず組むに当たっての予算ですが、思い切ってとのことなので、十万程度を想定。その上でパーツの選定を行いました。
まず最初にCPUを選ぶ
まず一番に考えたのがCPU。選ぶとしたらAMDのRYZENか、intelのCORE iの二種類。当然AMDを選択。理由としては、AMDのほうがコスパが良いことと、親父が自作PCを作る際にはAMDを使っていることから。特段の理由があるわけではないけど、何となくAMD信者になってみたかった。
これを読むであろう自作PCを作りたがっている皆さんが困らないよう、RYZENとCORE iの主な特徴を説明しますと、単コアあたりの性能はintelに軍配が上がり、コア数についてはAMDが多いというのが一般的だそうです。つまり、コアの性能が必要なもの――例えばゲーミングPCなどをするならばintel、動画編集などの並列処理を必要とするものならばAMDといった選び方が良いでしょう。で、私が選んだAMDは『RYZEN5 5600G』。


5000番台――つまり第五世代の物ですね。私が作ろうと思った当時では、RYZENは7000番台の第七世代までありました。
何故第五世代を選んだのか
どうして第五世代なのかと言うと、単純に最新の物は値段が高いからです。また、私は最新というものをあまり使いたがらないというのもあります。最新の物とはすなわち信頼性が低く、また未知の部分が多いからです。つきましては、そうした最新の物は、お金に余裕があってかつそうした物を使ってみたいというマニアな人に使ってもらうのが宜しいかと思います。彼らが実験的に使ってみて、ここに問題があるとか、ここが良いといったデータが揃って信頼性が増し、手頃な値段まで下がったところを買うのが、我々ライトユーザにはちょうどよいかと判断しました。
ちなみに、第六世代はノートPC用なので除外しました。
私が選んだ第五世代は、アーキテクチャ(CPUの構造と思って良いでしょう)は第四世代の『ZEN3』で、第三世代である『ZEN2』はL3キャッシュひとつに4コアまでだったのですが、こちらは8コアまで搭載できます。従来の場合、4コアを超える物だとキャッシュ間で分断され、プロセッサ(コア)同士の処理データのやり取りをL3キャッシュメモリを跨いで行うことになり、ラグが発生して若干ながら処理に遅れが生じていました。が、『ZEN3』ならその遅れの心配もありません。この第五世代のRYZENは、ひところはintelを超えたとすら――第十三世代が出るまでは――言われていて、相当優秀なCPUでした。
CPUのグレードについて
次にCPUのグレードについてです。CPUは3,5,7,9と四つのグレードがあり、上がっていくごとに搭載されるコアとスレッド数が増え、より多くの並列処理ができるようになります。私が選んだのは『5』、6コアの12スレッド。基準としましては、普段使いなら『3』程度で十分で、ゲーミングPCなどを作るなら『5』があれば十分、『7』があれば安心、『9』はロマン追及や業務用と言ったところでしょう。私の場合、それなりに性能が欲しい、かといってハイエンドクラスは要らないとのことで『5』を選択。
5600”G”とは何か
5600“G”について説明いたします。これはグラフィックのG、つまりGPU(グラフィクス・プロセシング・ユニット)が搭載されているということであり、これがあればグラフィックボードと言ったGPUパーツを搭載せずとも――簡易的ながら――描画処理ができます。ちなみにこのようにGPUも搭載されているCPUは、APU(アクセラレイテッド・プロレシング・ユニット)とも呼ばれています。
この『G』の他には、『5500』『5600(無印)』『5600X』などがありましたが、これらを入れるとなると別途グラフィックボードが必要になります。一応、グラボが無くてもCPUが頑張って描画処理をしてくれるそうですが、それでどれ程パフォーマンスに影響するかが分からないので、安牌を。予算十万もあれば、二、三万程度のグラボを搭載すれば十分収まっていたでしょうが、わざわざグラボを搭載してやりたいことが思い浮かばなかったため、ムダ金な気がしたのでやめておくことにしました。ゲーム用にするにしても、安いグラボでやるくらいなら、素直にPS4でやったほうが良い。普通にPCとしても使うとなると、容量などを圧迫することもあるでしょうし、ゲーミングは別に作るのが吉との判断です。
APUの注意点
上でも言及しましたが、グラボ代をケチってAPUでゲーミングPCを組むことはあまりお薦めできません。APUのグラフィック機能はあくまで簡易的なものであり、軽いゲームであればプレイできはしますが、さすがに重いゲームは荷が勝ち過ぎます。PS5どころかPS4のゲームも怪しいでしょう。一応の解決策として、メモリをオーバクロックさせてタイミングを詰めるといった小細工で、二万円前後のグラボ程度のグラフィック性能は出せます。が、そんな専門知識が必要なうえにリスキィなことをするくらいなら、素直に高性能なグラボを買ったほうが良いでしょう。それに、そんなできるということは、既に自作PCに相当お金をつぎ込んでいるはずでしょうし、今更PCのパーツ代を無駄にケチることもないでしょう。
縦しんば上述の方法でグラボ並みの性能を引き出したとしても、APUや安いグラボにはレイトレーシング機能――すなわち、『ゲーム内のオブジェクトの鏡像や陰影を光の角度を考慮して処理する機能』がありません。
今回の自作PCを組むために購入したパーツの総額ですが、PC本体だけで50,047円、Windows11込みで66,392円でした。パーツ代を相当ケチったはずなのですが、それでもPS5より高く、そしてPS5より圧倒的に性能が低い……。これでPCゲームをするくらいなら、素直にプラットフォームを購入するほうが良いですね。
まとめ
以上のように、今回私が初めて組みました自作PCのコンセプトは、先代のPCより性能が高く、またゲームや動画編集といった用途は考慮しておらず、普段使い用の延長程度で、その上で可能な限り安くというコンセプトに最終的に纏まり、パーツを選定しました。その第一歩としてCPU選びにAMD RYZEN5 5600Gがコスパ的に妥当とし、選びました。
またこのCPUでのPCは、ゲーム用としては使わないほうが良いとも言及しました。ゲーミングPCの良い所は、美麗なグラフィックに快適な環境でできることでしょう。MODを導入して遊びの幅を広げることもできます。どちらにしても最低限の性能は欠かせません。プラットフォーム以下の性能のPCでゲームをするくらいなら、素直にプラットフォームでするか、もしくは思い切って十万から三十万くらいのゲーミングPCを買うことをお薦めします。
CPU編はこれで終わりです。次回はマザーボード編でございます。
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